① まずはSOFIとは?|銀行×フィンテックの進化形
SoFi(ソーファイ)は、アメリカ発のデジタル総合金融プラットフォームだ。
もともとは学生ローンの借り換えサービスからスタートしたが、現在は事業領域を大きく広げている。
具体的には、
預金口座、クレジットカード、投資、個人ローン、住宅ローン、さらには金融機関向けのBtoBテクノロジー提供までを、一つのアプリで完結させているのが特徴だ。
銀行免許も取得済みで、
「フィンテック企業」というより、
デジタル銀行+SaaS企業
と表現した方が実態に近い。
今回の2025年3Q決算は、SOFIがその“進化の第二章”に入ったことを強く印象づける内容だった。
② 決算数字のインパクト|分野別・前年比で見る強さ
まず全体の数字から見ていこう。
- 調整後売上高:9.5億ドル(前年比+38%)
- 調整後EBITDA:2.77億ドル(マージン29%)
- GAAP純利益:1.39億ドル
- EPS:$0.11(過去最高)
- 8四半期連続の黒字
一言で言うと、
「成長しているのに、ちゃんと儲かっている」
かなり理想的な決算だ。
Financial Services(銀行・クレカなど)
この分野が今回の主役。
- 売上:前年比 +76%
- 手数料収益:前年比 +157%
- 会員数:1,264万人(+35%)
かつて赤字だったこの部門が、今や高収益エンジンに変貌している。
預金・カード・投資といった日常金融が、しっかり利益を生む構造になってきた。
Lending(ローン事業)
- 四半期ローン実行額:99億ドル(過去最高)
- 個人ローン延滞率:2.60%(改善)
- 借り手の平均FICOは740台、年収も高水準
「不況に弱いローン会社」というイメージを、数字で否定してきている。
Technology Platform(BtoB)
- 売上:前年比 +12%
- 成長は緩やかだが、安定+高マージン
地味やが、SOFIの収益を下支えする“縁の下の力持ち”やな。
③ 今後の注力分野の分析|SOFIはどこで伸びる?
今後の成長ドライバーは明確や。
① 手数料ビジネスの拡大
現在、売上の43%がFee-based(手数料型)。
これは金利環境に左右されにくく、資本効率も高い。
ローンを「自分で抱える」だけでなく、
プラットフォーム提供で稼ぐモデルにシフトしているのが大きい。
② Financial Services Productivity Loop(FSPL)
SOFIの最大の武器。
- 口座 → クレカ → 投資 → ローン
- クロスセル率:40%
一人の顧客が複数サービスを使うことで、
顧客獲得コストは下がり、LTV(生涯価値)は上がる。
この囲い込み構造は、簡単には真似できない。
③ Loan Platform Business(LPB)
自社で貸さず、第三者向けにローンを組成するビジネス。
資本を使わずに収益を取れるため、不況耐性が高い。
④ AI・Cryptoなどの新領域
短期の利益貢献は限定的だが、
中長期のオプション価値としては無視できない。
④ 今後の業績予想は?ガイダンスをどう見るか
SOFIは2025年通期ガイダンスを上方修正している。
- 売上:約35億ドル
- EBITDA:約10億ドル
- EPS:約$0.37
- 預金残高:約330億ドル
さらに、Rule of 40(成長率+利益率)も安定して超過。
「成長鈍化どころか、むしろ加速している」という印象が強い。
⑤ 投資先として有望か?(PER・PBR・EPS成長の観点)
結論だけ先に言うと、SOFIのバリュエーション(PER・PBR)は市場平均より高めだが、成長性を考慮すると必ずしも割高とは言い切れない。
NISAでの長期投資を考える場合、成長株としての評価はアリだが、期待先行リスクには注意が必要や。
✔ PER(株価収益率)
SOFIのPERはおよそ50〜60倍前後で推移している(予想PERベースでも60倍前後)。これはS&P500平均(20倍台前半)や一般的な銀行・フィンテック企業に比べてかなり高い水準だ。
PERが高いということは、「株価に成長期待が織り込まれている」」証左でもある。
実際、SOFIは黒字転換後の成長が急で、EPS(1株利益)自体が年々大きく伸びているのが特徴だ。
- 今期EPS成長率(アナリスト予想)はかなり高く、将来のEPS上昇が期待されている。
たとえば市場予想では、現在約0.46ドル程度 → 来期は約0.59ドル級まで伸びるという予想ケースもあるとされる(EPS成長率は50%前後の見込み)。
PERが高くても、EPS成長率が高ければ実質的な割高感は緩和される。
PERをEPS成長率で割る「PEG比率」で見れば、成長を加味した評価ができるが、SOFIのPEGは成長銘柄としては許容範囲という見方もある(ただし念のため他企業との比較は必要)。
✔ PBR(株価純資産倍率)
SOFIのPBRはだいたい3.5〜4.7倍前後。これは銀行株としては高めではある。
銀行株は一般的にPBRが1倍 ~ 数倍という評価が多いので、**SOFIが3倍台後半で取引されているのは「成長期待込みの評価」だと考えられる。
ただしPBRは“資産価値”に対する評価なので、預金残高・金融資産が増えていけば、将来的にPBRの割安感も出てくる可能性がある。
✔ EPS伸び率(企業の成長性)
SOFIのEPSは、ここ数四半期で黒字・成長を続けており、前年比でも大きく伸びている。
- 2025通期予想EPSは0.37ドル程度 → 来期予想0.59ドル超えの成長予想というケースも出てきている。
つまり、今の高いPERは「EPSの急成長を前提とした評価」とも読める。
また、EPS自体はフィンテック企業としては珍しく黒字が定着してきており、利益率改善と連動して株価評価を押し上げる要素になっている。
✔ 投資判断(NISA目線)
◎ ポジティブ材料
- 黒字収益が定着していてEPSが伸びている
- 将来EPSの成長が予想されており、PERの高さが成長期待を反映している
- PBRも高めだが、成長企業としての評価余地がある
△ 注意したい点
- PERが市場平均より高いので、株価は成長期待先行になっている可能性あり
- マクロや金利変動による業績影響のリスクは依然存在
- 短期的な調整が入りやすい評価水準
NISAで中長期ホールドを考えるなら、
「成長性と収益性の改善、EPS伸び率」を重視して投資判断するのが現実的。
短期売買狙いのPER割安株ではないが、成長株としてNISA向きの要素は十分ある。
※本記事は、公開情報をもとにした筆者個人の見解・考察をまとめたものであり、特定の個別株の売買を推奨するものではありません。
投資判断はご自身の責任において行ってください。

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